別れてからの子どもの養育費!取決めで気をつけるべきことは…

結婚している夫婦

事実婚・内縁同性カップルなどには、

子どもを養育されている方々も

おられます。

 

 

もし、配偶者・パートナーと別れることに

なれば、

以前の記事でも触れたことがあるように、

結婚しているLGBTの当事者が離婚を決意。その際に注意することとは…

2018年7月22日

 

子どもの今後のことで、

親権者養育費面会交流などについても

決めておく必要があります。

 

 

たとえ、婚姻関係・カップルをやめても、

子どもの親として役割は続きます。

 

子どもを育てるというのは、

それ相応の義務を負うもので、

養育費の支払いはその主な項目です。

 

 

そもそも、

養育費は、子どもが独立の社会人として

自立するまでに要するすべての費用を

いい、

衣食住に必要な経費・教育費・医療費・

最低限度の文化費や娯楽費などを指し、

その支払いは、親として子どもに対して、

自分の生活と同程度の生活を保障する義務

です。

 

なので、決して自分の生活費を確保して、

なお余裕があってはじめて負担するような

意味合いではありません。

 

 

養育費を定めるときには、

相手方と話し合いができる場合には、

離婚協議書を作成することで

定めることができますが、

話し合いができない場合には、

裁判所で調停裁判によって

離婚協議をして定める方法があります。

 

 

ただ、子どものことについて

親権者の選ばれ方や、

養育費について、

金額をどうするか、

いつまで子どもがもらえるものなのか、

お互いにその後の収入事情次第で

養育費の金額を変更することが

できるのか、

もし不払い・滞納があったら

どうすればよいのか、

といった問題が多々あります。

 

 

 

 

 

 

では、具体的にどのようにすれば

よいのでしょうか。

 

 

1.親権者を決める判断基準は…

子どもがいて離婚する場合、

親権・監護権をとることができるかは、

重大なことです。

 

ここで、親権監護権は用語が違う以上、

別物です。

 

 

親権は、親が未成年の子どもを

監護・養育し、適切に財産を管理する

権利と義務をいいます。

 

一方、

監護は、親権のうち、

監護・養育の部分のみを指す概念です。

 

なので、監護権は、

子どもと一緒に暮らし世話をしたり、

必要な教育を受けさせることをいい、

財産管理は含まれません。

 

 

一般的に、親権者と監護者は

一致するよう決めることが多いのですが、

法律上は別々にすることもできます。

 

 

しかし、

そのようなケースは例外的な話であって、

親権が監護権を包括するような

概念であり、

子どもを養育するうえでも、

親権者と監護者を別々に決めることは

おすすめしません

 

 

 

 

 

 

もし、離婚協議を調停・裁判ですると

なった際に、

親権者は両親のいずれが相応しいのかを

決める判断基準について、

かつては母性優先の原則という考えが

色濃かった時代もありましたが、

現在は必ずしもそのような考え方に

縛られるわけではありません。

 

過去・現在の子どもの監護に関する実績

収入、負債の有無など、親の経済的事情

親や子どもの健康状態や性格、

子どもの年齢・発育状況など、

親や子どもの心身の状況

自分の親や兄弟姉妹などの身内に、

養育に対する協力者・補助者が

いるかどうか等、

を判断基準にします。

 

また、経済力がなくても、養育費で手当てする

考えから、

経済力が無いと親権が取れないというわけでも

ありません

 

ちなみに、子どもの年齢が15歳以上の場合、

審判・裁判の際に、子どもの意見を

聞かなければならないのですが、

裁判所は、10歳以上であれば

子どもの気持ちを採ろうとする

傾向はあるようです。

 

 

また、離婚協議においては、

面会交流の日時・場所・実施方法などを

決めておくことも重要です。

 

これは、子の成長のためにも必要ですし、

親としても会いたいというだけでなく、

「会わせないから養育費を支払わない」、

「養育費を支払わないから会わせない」、

といった事態を防ぎ、

子と定期的に会うことで

養育費を支払わなければならない自覚を

持たさせやすくすることにも繋がります。

 

 

 

 

 

 

では、離婚後の経済的な問題を補うための

養育費について、

どのように決めればよいのでしょうか。

 

 

2.養育費の金額や支払期間、取決め方法は…

養育費の取り決め方には、

相手方と話し合いができるか否かで

方法が異なります。

 

 

相手方と話し合いができる場合には、

公正証書(執行認諾文言付き)を

作成するか、

調停による方法が考えられます。

 

 

公正証書とは、

裁判官や検察官のOBで、

法律の専門家である公証人が作成する

公文書であり、

その中でも、

以前の記事でも触れたことがあるように、

同性カップルで何かの決め事を書面にするとき…やたら「公正証書」のフレーズは聞くが、そもそも何がメリットなのか?

2018年4月22日

 

金銭の支払に関して、

当事者の相手方が約束を破った場合に、

直ちに強制執行する旨と

債務者が強制執行に服する旨の陳述

(執行受諾文書)の記載がある

公正証書(執行証書)であれば、

裁判で勝訴する手続を経ることなく、

強制執行を行うことができます

 

よって、離婚協議書を公正証書で

作成していれば、

後々養育費の不払いがあった場合、

裁判所の判決を待つことなく

強制執行手続に踏み出すことが

できるのです。

 

反対に、

離婚協議書を私文書で作成し

養育費の不払いがあった場合には、

裁判で勝訴判決を得てからでないと、

強制執行手続に進めないという

デメリットがあります。

 

 

相手方と話し合いができない場合には、

家庭裁判所の関与の下で、

調停審判による方法が考えられます。

 

 

もし、離婚時に養育費の取り決めを

していなかった場合や、

離婚後に取決めを行うこともできます。

 

ただ、そのような場合、

当事者間で話し合うことは困難なケースが

多いので、

家庭裁判所に養育費請求調停

申し立てることをおすすめします。

 

 

次に、

養育費の金額を決めるにあたっては、

家庭裁判所が公表している算定表を

参考にするのが多い傾向にあります。

 

 

その算定表は、当事者双方の収入をもとに

簡易迅速に養育費が算定できるよう

考えられたもので、

義務者(養育費を支払う側)

権利者(養育費を支払ってもらう側)

基礎収入を認定し、

そこから子の生活費を算定した上で

養育費を算定します。

 

さらに、子の数年齢により

算定されます。

 

基礎収入を認定するための

年収の定め方は、

給与所得者・自営業者等の形態によって

異なります。

 

給与所得者の場合、

源泉徴収票の支払金額(社会保険料等が

控除されていない金額・総額)を年収とし、

ボーナス(賞与)や一時金を含め、

副業収入があれば加算します。

 

自営業者の場合、

確定申告書の「課税される所得金額」を年収とし、

実際に支出されていない費用(基礎控除、

青色申告控除、専従者給与など)を加算します。

 

無収入の場合や収入資料が分からない場合、

賃金センサス(賃金構造基本統計調査と呼ばれ、

政府の調査によるもの)で推定して算定します。

 

 

ただ、家庭裁判所による算定表は、

硬直的な運用をすると、

養育費が低額になったり、

実態に即していない場合もあるので、

個別的事情を主張して、

実態に合った金額で請求する姿勢も

重要です。

 

 

 

 

 

 

 

例えば、

義務者が住宅ローンの負担のない家に

居住している場合や、

義務者が相続により莫大な遺産があり

収入は少なくても、生活に余裕がある場合などが

考えられます。

 

もし、子どもに持病や障害があり、

定期的な医療費支出がある場合には、

増額の可能性もあります。

 

また、義務者が子どもの生活費の一部を

支払っている場合には、減額の可能性もあります。

 

 

そして、養育費は子どもにとって

いつまでもらえるものなのかという

問題もあります。

 

 

この点については、一般的には、

子が成年に達する月までと解されており、

簡単にいえば、

20歳まで」と解釈されています。

 

また、子どもに関して

単に年齢という数字だけで

判断するのではなく、

あくまで未成熟子という観点で

考えるべきなので、

「20歳まで」というのは

成人年齢引き下げ(2022年4月1日施行)

以降も変更はなく、

18歳に変わるものではありません。

 

実際、子どもが大学などへ進学する場合、

卒業するまでと合意で定めることが

多いです。

 

 

 

 

 

 

では、養育費を支払うようになってから、

当事者が失業や再婚などによって

経済力や支払事情に変化があった場合に、

養育費の金額を変えることは

できないのでしょうか。

 

 

3.養育費の事情変更への対応は…

養育費に関して、

当事者が一度同意した内容を

変更するのは大変なことですが、

事情変更があれば再度(増減額変更の)

調停を申し立てることはできます

 

 

 

 

 

 

調停で、事情変更で主張すべき事項には、

①従来の額の際の基準とした事情に、

顕著かつ重要な変更が生じたこと、

②①が従前の協議などの際に

予測し得なかったものであること、

③従来の額が実情に適合せずに

不合理であること、

④変更すべき額、

があります。

 

 

このような事情を具体例でいうと、

当事者の失業・減収、

親や子の病気・けがによる長期入院、

物価の急激な上昇、

貨幣価値の急激な変動、

義務者が再婚し、扶養家族が増えた場合、

権利者が出世などにより

収入が大きく増えた場合、

権利者が再婚し、経済力が増した場合や

再婚相手と子どもが養子縁組をした場合

などが挙げられます。

 

 

権利者や義務者の再婚が

たとえ法律上の婚姻でなく、

同性カップル内縁・事実婚などの事情で

あったとしても、

経済的事情を考慮してもらうために

上申することも踏まえれば、

家族同様の扶養関係などを証明する資料を

用意することも良策といえます。

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ、増額請求の場合には、

上記事情に合致するのみならず、

義務者に増額に応ずるだけの経済的余力が

必要になります。

 

また、権利者の経済力が増し、

養育費を支払ってもらうことに

経済的必要がなくなったとしても、

あえて養育費の支払いを免除まではせずに、

少額でも支払うことを継続させることで、

子どもとの関わりの維持を図ることも

必要になります。

 

 

では、養育費が支払ってもらえなかった

場合、

どのような方法で支払いを促したり、

徴収すればよいのでしょうか。

 

 

4.養育費をちゃんと支払ってもらうには…

養育費は子どもを育てるために

必要なお金なので、

相手側の一方的な都合で支払いが

滞ってしまうと、

進学や病気などの事情に

対応できなくなってしまう可能性が

あります。

 

 

この場合、

家庭裁判所による履行確保や、

民事執行法による強制執行を行うことが

考えられます。

 

 

家庭裁判所による履行確保には、

履行勧告履行命令があり、

どちらも調停審判で養育費を定めたにも

かかわらず、

その支払いがなされない場合に利用できる

制度です。

 

履行勧告は、

権利者の申立てにより裁判所が履行を

勧告する制度で、

強制力はないものの、

裁判所からの勧告という意味で

一定の心理的効果はあるため、

養育費の支払いを促すことが

しやすくなります

 

ちなみに、履行勧告は、財産上の請求に

限られないので、面会交流にも使えます。

 

履行命令は、養育費の支払義務者に対し、

裁判所が履行を命じる制度で、

正当な理由なく従わない場合は、

10万円以下の過料の支払が

命じられる場合があります。

 

 

履行勧告や履行命令にも従わない場合、

強制執行することがおすすめです。

 

 

 

 

 

 

 

 

また、滞納があったときは、

履行勧告や履行命令を利用せずとも、

いきなり強制執行の手続を行うことも

できます。

 

 

強制執行の手続にあたり、相手方の

給与預金口座・解約返戻金などを

差し押さえたい場合、

原則的には、相手方の住所地管轄

地方裁判所に申し立てます。

 

もし、相手方の住所が不明の場合には、

差し押さえたい債権の所在地管轄の

地方裁判所に申し立てます。

 

具体的にいうと、

給料を差し押さえる場合は勤務する会社の

所在地

預金を差し押さえる場合はその銀行の

所在地です。

 

 

そして、給料を差し押さえる場合、

その効力は、原則的には、

請求債権と執行費用を限度として、

あくまで差押後に受けるべき給付に

及ぶものなのですが、

養育費の場合は、一部に不履行があれば、

まだ確定期限が到来していないもの

将来の養育費)についても、

各養育費について確定期限の到来後に

弁済期が到来する給料であれば、

いちいちその都度申立てをしなくても、

差し押さえることができます

 

また、給料(税金や社会保険料を控除した

残額)を差し押さえる場合、

一般的な債権であれば4分の1までしか

差し押さえることができませんが、

養育費の場合は2分の1まで

差し押さえることができます

 

 

ただ、強制執行をするにしても、

最終的に差し押さえる財産が何なのかを

特定しなければならず、

給与であれば勤務先、

預貯金であれば銀行名・支店名、

不動産であれば所在・地番などのように、

差押えのための情報の準備が

必要になります。

 

もし、差押えに必要な情報が分からない

場合、

審判書調停調書公正証書などの

債務名義があれば、

財産開示制度を利用することができます。

 

 

従来は、財産開示手続にあたり、

公正証書(執行証書)は

除かれていましたが、

民事執行法の改正(2020年4月1日施行)

により、

対象とされました。

 

そして、この改正によって、

財産開示手続にあたり、

債務者が正当な理由なく裁判所の呼出しを

無視したときの罰則が強化されました。

 

改正前は、30万円以下の過料でしたが、

改正後は、

6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金

処せられる刑事罰の対象となりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

さらに、この改正によって、

財産を調査する手段として、

債務者以外の第三者からの情報取得手続

関する規定も新設されました。

 

 

まず、金融機関からは、

預貯金債権(支店・種別・口座番号・

残高)、

上場株式・国債(銘柄・額又は数)などに

関する情報を取得できます。

 

財産が不動産の場合は、

東京法務局から土地・建物に関する

所有権情報を取得できます。

 

 

 

 

 

 

 

さらに、差押えをするための債権が

養育費

生命・身体の侵害による損害賠償請求権に

限っては、

市町村日本年金機構などから

給与支払者の情報(住所・氏名)も

取得できます。

 

 

5.まとめ

いかがだったでしょうか。

 

子どもがいると、

たとえ当事者が別れたとしても、

決して夫婦・カップルだけの問題でなく、

子どもの将来のために、

養育を果たす親としての役割が

存続します。

 

 

また、内縁事実婚同性カップルなど、

一方のパートナーが子どもの実の親でない

ケースであれば、

以前の記事でも触れたことがあるように、

同性カップルがパートナーシップ契約で将来の紛争予防!何を決めるべきかよく分からない方へ。

2017年9月1日

内縁・事実婚の相続・生前対策は、同性カップルの事情より大丈夫は勘違い!

2018年10月17日

 

当事者間の取決めを書面化することも

重要ですが、その項目で、

子どもや養育費のことも考慮するのを

おすすめします。

 

 

さらに、現在のカップル関係において、

将来子どもの生みの親のパートナーに

もしものことがあったときに、

(実の親でない)遺されたパートナーの

親権・監護権や相方の元配偶者などの

ことで不安がある場合には、

以前の記事でも触れたことがあるように、

同性カップルで子どもと親権者について。育て続ける方法とは…

2019年2月4日

 

遺言を作成し未成年後見人の指定をする

家庭裁判所に親権者変更の申立てを行う、

といった方法が良策です。

 

 

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