公正証書の内容を確かめたいとき。どうすればよいのか?

同性カップル内縁事実婚などの事情で

パートナーとの同居生活や死亡時の財産の

承継などを踏まえて、パートナーシップ

契約書任意後見契約書遺言書

死後事務委任契約書などを公正証書で作成

することがあります。

 

 

公正証書とは、以前の記事でも触れたこと

があるように、

同性カップルで何かの決め事を書面にするとき…やたら「公正証書」のフレーズは聞くが、そもそも何がメリットなのか?

2018年4月22日

 

法律の専門家である公証人によって作成

されるので、安全・信用の面や、原本が

公証役場で保管されることで紛失・偽造・

変造のおそれがないこと以外にも、文書が

真正に成立したものだということを証明

する必要性があまりないメリットも

あります。

 

 

そして、公正証書は原本・正本・謄本の

3種類で作成され、原本が公証役場で保存

されるので、本人たちには正本・謄本が

交付されます。

 

 

まず、原本とは、一定の内容を表現する目的で

確定的なものとして作成される文書であり、

正本や謄本の基となります。

 

 

 

 

 

 

原本には、公証人・嘱託人(公正証書の作成を依頼

した者)、遺言であれば証人の署名・押印があり、

印鑑証明書・運転免許証の写しなどの付属書類が

連綴されています。

 

公正証書の原本は、公証役場に厳重に保管

され、事変を避ける場合や裁判所の命令

などがあるを除いては、外への持ち出しは

禁止されています。

 

次に、謄本とは、原本の正規の複製証書で、

謄本である旨の公証人の認証があるものをいいます。

 

当事者が原本に署名・押印した部分については、

記名を印字したものに代えることが一般的です。

 

 

そして、正本とは、謄本の一種であって、

原本の正規の複製証書で、正本である旨の公証人の

認証があるものをいい、原本と同じ効力があります。

 

 

謄本と正本はいずれも原本の正規の

複製証書という点では変わりないので、

証拠力は同じです。

 

 

では、公正証書の正本・謄本を紛失した際

には、どのように内容を確認したり、相続

などの必要な手続を進めていけばよいので

しょうか。

 

 

1.公正証書の原本を閲覧できる者は限定的!

公証役場に保存される公正証書の原本の

閲覧ができるのは、

 

①作成を依頼した者である嘱託人

 

②その承継人

 

③証書の趣旨につき法律上の利害関係が

ある者、

 

検察官

 

 

 

 

 

に限定されています。

 

 

ただし、公正証書遺言の原本については、

その特殊性に鑑み、遺言者の死亡によって

遺言の効力が生じるまでは、閲覧請求

できるのは遺言者本人に限られ、それ以外

の者は閲覧できません

 

 

なので、受遺者になるパートナーや遺言者

本人の相続人は、本人が生存中は、

公正証書遺言の原本を閲覧することは

できません

 

 

また、遺言者が判断能力がある時に作成

した公正証書遺言について、その後遺言者

が判断能力を失った後に成年後見人・

保佐人・補助人や任意後見人に就任した者

も閲覧が制限されます

 

 

 

 

 

 

 

ここにいう成年後見(法定後見)・保佐・補助や

任意後見については、下記の記事でも触れたとおり

です。

同性カップルの将来のことで任意後見制度の話題がよく挙がるが、そもそも保護者の制度とは…

2018年3月21日

 

 

次に、公正証書の謄本・正本の交付を請求

する場合、謄本と正本では請求できる者の

範囲が異なります。

 

 

謄本の交付を受けられる者は、嘱託人・

その承継人・証書につき利害関係がある者

に限られます。

 

これは、原本の閲覧請求ができる者の範囲と同様

です。

 

 

一方、正本の交付を受けられる者は、

嘱託人・その承継人に限られます。

 

原本の閲覧請求や謄本の交付請求の場合と異なり、

法律上の利害関係人には請求権が認められて

いません。

 

 

なので、公正証書遺言の場合、相続人や

遺言執行者は、正本の交付請求をすること

はできず、謄本の交付を請求することに

なります。

 

 

相続人は、遺留分減殺請求ができるか否か

を判断しなければならないので、証書に

つき法律上の利害関係がある者に該当

します。

 

また、遺言執行者は、遺言者が死亡した後

は、遺言に記載してある内容を執行する

必要があるので、証書につき法律上の

利害関係のある者に該当します。

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、公正証書の閲覧、謄本・正本の

交付請求には、手数料がかかります

 

 

公正証書遺言の原本閲覧や謄本・正本の

交付請求をするためには、その前提として

いつどこの公証役場で公正証書遺言を作成

したのかを把握する必要があります。

 

 

そのためには、日本公証人連合会本部が

管理する遺言検索システムを利用し、全国

どの公証役場からでも公正証書の原本の

所在する役場の検索を依頼することが

できます。

 

ただし、その公正証書遺言は、昭和64年1月1日

以降に作成されたものに限られます。

 

 

この検索については無料です。

 

 

では、公証役場は公正証書の原本を

いつまで保存してくれるのでしょうか。

 

 

2.公証役場での公正証書の保存は永久ではない!

一般的に、公正証書の原本の保存期間は、

作成から20年間で、その期間を過ぎれば

公証役場は、その原本を破棄することが

できます。

 

 

例外的に、確定期限のある債務

(ex. 金銭消費貸借契約)や、存続期間の

定めがある(ex. 賃貸借契約)権利義務に

関する法律行為について作成した公正証書

の原本については、その期限の到来や

期間満了(ex. 金銭消費貸借契約であれば

弁済期、賃貸借契約であれば賃貸借期間の

最終日)の翌年から10年とされています。

 

 

 

 

なお、公正証書遺言の場合は、近年遺言者

が長生きする傾向があって、もし保存期間

を20年としてその期間を過ぎて破棄して

しまったら、まだ遺言者本人が生きて

いて、謄本・正本を紛失して再発行して

ほしいときに基となる原本がなければ

再発行できなくなる事態が、十分に

考えられます。

 

 

 

 

 

なので、公正証書遺言の原本の保存期間

は、原則として、遺言者が120歳になる

までとなっています。

 

 

また、公証役場が海の近くにあって、地震による

津波災害で保存していた原本が滅失してしまうこと

もあり得るので、その事態に備えて、

日本公証人連合会では、平成26年4月以降、

公正証書遺言については、原本を作成後パソコンで

スキャンしてこれを日本公証人連合会の本部で

二重に保存することになっています。

 

 

3.まとめ

いかがだったでしょうか。

 

パートナーと生活していく上で、後の

紛争や相続に備えて書面を公正証書で作成

しても、その謄本・正本を紛失する可能性

もあります。

 

 

そのような事態になれば、契約当事者や

遺言者であれば、原本の内容を公証役場で

確認し、謄本・正本の再交付を受けること

もできるので、まず管轄の公証役場に

問い合わせてみることをおすすめします。

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