性同一性障害が何かを定義するには、性自認が何たるかの概念が先なのか…

性同一性障害とは、生物学的性別

(身体の性別:sex)と

性の自己意識(性自認:gender identity)

とが一致しないために、

自らの生物学的性別に持続的な違和感を

持ち、自己意識に一致する性を求め、

時には生物学的性別を自己の性の自己意識

に近づけるために性の適合を望むことさえ

ある状態を指す医学的な概念です。

 

 

そして、法令において、性同一性障害者の

性別の取扱いの特例に関する法律による

定義では、

「生物学的には性別が明らかであるにも

かかわらず、心理的にはそれとは別の性別

であるとの持続的な確信を持ち、かつ、

自己を身体的及び社会的に他の性別に適合

させようとする意思を有する者であって、

そのことについてその診断を的確に行う

ために必要な知識及び経験を有する二人

以上の医師の一般に認められている

医学的知見に基づき行う診断が一致して

いるもの」

とされています。

 

 

 

 

 

 

 

そもそも、日本国内では、性別適合手術が

公に行えないという状況が長く続いて

いました。

 

 

1964年に、とある産婦人科医師が、

当時ブルーボーイと呼ばれていた

男娼の職にある20代の戸籍上の男性3人に

対して、性別適合手術(当時の表現では

性転換手術)を十分な診察を行わずに

行ったとして、麻薬取締法違反と

優生保護法(現在の母体保護法)違反に

より逮捕され、1969年に有罪判決を

受けた事件があります。

 

 

 

 

 

 

これが、当時の優生保護法第28条

「何人も、この法律の規定による場合の

外、故なく生殖を不能にすることを目的と

して手術又はレントゲン照射を行つては

ならない」に違反したものとされました。

 

 

この手術の際、現在の性同一性障害の診療

で行われているような、

「本当に手術の必然性があり、それは個人

の嗜好や職業上の利得を動機とするもの

ではない」という判断を下すに

足るような十分な精神科的診察は行って

いませんでした。

 

 

同時に当時は売春の取り締まりが社会的な

課題となっていた時期であり、戸籍上の

男性が性転換手術を受け売春をするも、

法的には「男性」として扱われるので

十分な取り締まりができないことが、

事例件数としては少数ながらも、問題視

されていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

そのことで、警察などの関連機関は、

その大元を断絶しようという必要性に

駆られていたのです。

 

 

このように、もともと日本国内では、

自己の生物学的性別に違和感を持ち

生物学的性別を自己の性の自己意識に

近づけるため性別を変更する医療的措置

(いわゆる性別適合手術)は、

正当な医療行為ではなく、違法である

という扱いがあり、刑事罰の対象とされる

こともあったのです。

 

 

しかし、その後不遇な時代が続くも変わる

きっかけがあったのです。

 

 

1.性別適合手術が正当な医療行為になってから…

1997年に日本精神神経学会・性同一性障害

に関する特別委員会が、ガイドラインの

初版を策定し、

1998年には、埼玉県医科大グループが、

女性から男性への(FTM)性別適合手術の

施術を公的な医療行為として行って

います。

 

 

そして、2001年以降、性別適合手術を

終えた性同一性障害の当事者たちが、

戸籍の続柄の記載に錯誤があるとして、

戸籍法13条に基づいて家庭裁判所に

戸籍訂正の申立ての動きを講じました。

 

 

 

 

 

 

しかしながら、その結果は却下となった

ため、当事者たちは法的に性別変更を

認めるための立法への運動に向かっていく

のです。

 

このように、性的違和を抱える当事者の

ニーズに応える態勢は進みました。

 

 

ここで、性同一性障害性的違和って言葉

が違うからには概念がどう違うのだろうと

いう疑問が浮かびます。

 

 

2.性同一性障害と性的違和の持つ概念とは…

主な性同一性障害という中心的な部分から

みれば周辺の立ち位置に当たる

性別違和症候群(gender dysphoria)の

当事者も存在します。

 

 

簡単にいうと、性同一性障害を医療の対象

となっているのに対し、

性別違和症候群においては医療の対象と

予定していない立ち位置になっているの

です。

 

 

ただ、国際的には、性同一性障害という

医療診断上の概念よりも、より広義な

トランスジェンダーという概念が一般的

です。

 

 

そして、国際的診断基準に照らしても

問題視されているのが、

性同一性障害特例法の手術要件です。

 

 

 

 

 

 

 

現にWHO(世界保健機構)は、

生殖腺の切除を性別取扱変更の要件として

強制することはできないとしています。

 

 

たしかに、性同一性障害という概念は

当事者の医療ケアを保障するきっかけには

なっていますが、今後も当事者のニーズに

寄り添いながら、概念の再検討と医療など

のケアの保障を両立させることが必要に

なってきます。

 

 

では、自分の性別に違和感があることで

どうすればよいのでしょうか。

 

 

3.自分のセクシュアリティを決めるのは自分といえる!

あくまで性同一性障害とは、医学的な概念

なので、性同一性障害であることと

トランスジェンダーであることは一致する

とは限りません。

 

性同一性障害の診断を受けることで、

ガイドラインに則りホルモン治療や

性別適合手術などの医学的措置を受ける

ことができ、場合によっては

性同一性障害特例法の要件を満たすことで

戸籍を変更できる可能性がある、というの

にすぎません。

 

 

なので、性別に違和があるから性同一性

障害の診断を受ける義務はないですし、

単に個人の選択です。

 

 

 

 

 

 

制度や医療においては、あくまで講じる

ことができる手段であり、

当事者自身の判断が尊重されるべきでは

ないでしょうか。

 

 

4.結論

いかがだったでしょうか。

 

性同一性障害の診断の内容次第で、

その方自身の何かが変わるわけでは

ありません。

 

 

本人の素直な想いや置かれる状況に

おいて、尊重されることが第一で、

性同一性障害の診断は、当事者が人生で

抱える困難を解決するための手段の

ひとつにすぎないのだという考えは

とても重要だといえます。

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