同性カップルで公営住宅での同居を考える際に。入居要件のハードルはどうか…

同性カップルで同居する住宅を探す際に、

目に入るのが、LGBTフレンドリーを

掲げている不動産業者だと思います。

 

 

 

 

 

 

ただ、住宅も決して民間の賃貸物件のみ

ならず、公営住宅、公団住宅、特定優良

賃貸住宅を検討するケースもあります。

 

 

そこで、同性カップルが、世帯や同居親族

の点で、婚姻している夫婦と同様

扱われるのかどうかという疑問が

浮かびます。

 

 

まず、公営住宅とは、公営住宅法上では、

「地方公共団体が、建設、買取り又は借上げを

行い、低額所得者に賃貸し、又は転貸するための

住宅及びその附帯施設で、この法律(公営住宅法)

の規定による国の補助に係るもの」

と定義されています。

 

 

公営住宅には、管理主体が市区町村と都道府県のが

あります。

 

旧公営住宅法では、入居資格の中に、

「現に同居し、又は同居しようとする親族(婚姻の

届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある

者その他婚姻の予約者を含む。)があること。」

という同居親族要件がありました。

 

 

この要件によって、同性カップルが公営

住宅の入居者から法律上排除されている

扱われ方がありましたが、

同性カップルも

「婚姻の届出をしないが事実上婚姻関係と

同様の事情にある者」に該当する、

つまり事実婚に当てはまると解釈する余地

はあります

 

 

 

 

 

 

ただ、その後の公営住宅法の改正により、

上記の同居親族要件は、撤廃されました

 

 

ところが、同居親族要件が撤廃されたこと

が、同性カップルの公営住宅への入居が

全面的に認められている意味ではないので

注意が必要です。

 

 

では、公営住宅に関して、同性カップルの

入居要件はどうなのでしょうか。

 

 

1.同居親族要件がケースバイケースになるのは…

公営住宅法自体には、入居資格に同居親族

要件は撤廃されたものの、その要件を

設けるかどうかは、各地方公共団体の判断

に委ねられています。

 

 

なので、同居親族要件の有無は、地方公共

団体ごとにばらつきがあるため、事前に

確認しておく必要があります。

 

 

また、パートナーシップ証明書を発行して

いる自治体では、条例などで、男女平等・

多様性を尊重する趣旨を推進する規定が

あることも考えられるので、同居親族要件

があったとしても、

パートナーシップ証明書を取得した

カップルが公営住宅へ入居できることは、

十分にあり得ます。

 

 

 

 

 

 

 

 

同居親族要件には、公団住宅にも、似た

ようなことがいえます。

 

 

公団住宅とは、UR(都市再生機構)が供給

する住宅をいい、原則として、住宅の

申込資格に同居親族要件があります。

 

 

ちなみに、ハウスシェアリング制度を導入

している住宅もあり、その場合には、親族

同士でなくても入居することができます

 

 

ハウスシェアリング制度は、元々単身高齢者などが

友人と互いに協力し合って共同で生活したいという

居住ニーズへの対応ができるようにつくられた

制度です。

 

この制度の活用によって、家賃負担の軽減

緊急時の助け合いを図ることができるのです。

 

 

この場合の契約形態は、同居者2人が

それぞれ賃借人として契約することに

なり、入居後に、入居者の追加・変更は

できないので注意が必要です。

 

 

 

 

 

 

ほかに、特定優良賃貸住宅のケースでは、

どうでしょうか。

 

 

2.同性カップルの特定優良賃貸住宅での入居は…

特定優良賃貸住宅とは、

「認定計画に基づき建設される賃貸住宅」

をいい、

中程度の所得階層のファミリー向けを

メインに供給を前提としている賃貸住宅

です。

 

 

特定優良賃貸住宅は、供給計画を策定し、

その計画について都道府県知事の認可を

受ける必要があり、その認定の要件と

して、供給計画の中に賃貸住宅の入居者の

資格を定めることになっています。

 

 

 

 

 

 

入居者の資格については、一定の場合を

除き、同居親族がいることを資格として

定めています。

 

 

この同居親族には、「婚姻の届出をしない

が事実上婚姻関係と同様の事情にある者

その他婚姻の予約者」も含まれるので、

事実婚も前提にされています。

 

 

そして、同性カップルでの入居を検討する

際には、入居資格とその中の同居親族要件

を充足するかどうかの判断のための具体的

な運用については、全国的にばらつきが

あり、統一性がないので、特定優良賃貸

住宅の審査団体に事前に確認しておく方が

良いですねぇ。

 

 

3.まとめ

いかがだったでしょうか。

 

公団住宅のハウスシェアリング制度で

あれば、同性カップルで入居できるのは

明らかですが、それ以外では自治体の判断

によってのケースバイケースにはなる

ものの、入居できる余地はあります。

 

 

なので、同性カップルでも、内縁関係で

あることを、パートナーシップ契約

任意後見契約を内容とする公正証書などで

証明することで、入居要件をクリアできる

可能性も考えられます。

 

 

 

 

 

そして、パートナーシップ契約や

任意後見契約では、以前の記事でも触れた

ことがあるように、

同性カップルがパートナーシップ契約で将来の紛争予防!何を決めるべきかよく分からない方へ。

2017年9月1日

 

同性カップルの将来のことで任意後見制度の話題がよく挙がるが、そもそも保護者の制度とは…

2018年3月21日

 

将来生活上必要になってくる内容は、

様々な場面に対応できるよう注意が必要

です。

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