LGBTの当事者の方で結婚されているケース
もあります。
その後、自身のセクシュアリティのあり方
やその他の理由も含めて離婚を決意する
ケースもあります。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2018/01/性的指向.jpg)
ただ、離婚をする際には、後の紛争性を
防止する観点から、色々決めごとをして
おく必要があります。
その際には、離婚協議書を作成する必要が
あります。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2018/07/離婚協議書.jpg)
その理由としては、相手方が養育費や慰謝料の支払
などを決めたにもかかわらず、それを支払わずに
約束を破った場合でも、離婚協議書を作成して
いることで、その回収の手続をスムーズに行う
ことができるからです。
そもそも離婚協議書は、離婚時の話し合い
で合意した内容を記載しておく書面で
あり、後々協議内容について紛争が生じた
場合に備えるための証拠残しの役割として
も重要なのです。
ですので、単なる口約束では、
いざというときに権利を主張する
ことに難が生じる
のです。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2018/02/マスオさん.jpg)
では、離婚協議書にはどんな内容を記載
するのでしょうか。
1.離婚協議書に記載する内容とは…
離婚協議書には、主に以下のような内容を
記載します。
①離婚を合意した旨の記載
⇒離婚届の提出日や、どちらが離婚届を提出する
のかなどの内容をさします。
②慰謝料
⇒不貞行為やDVなどがあった場合、その
精神的苦痛において支払われる費用を
さします。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2018/05/慰謝料3-300x225.jpg)
慰謝料を支払うのか、支払金額は
いくらか、支払期日をいつにするのか、
支払回数をどうするのか、などについて
記載します。
③財産分与
⇒婚姻生活において、夫婦が協力して増やした財産
を清算し、夫婦それぞれの個人財産に分けることを
さします。
分与の対象となる財産、
どんな財産を譲り渡すのか、
財産分与の支払期日をいつにするのか、
支払回数をどうするのか、
などについて記載します。
④親権者
⇒未成年の子がいて、父母が離婚する場合
には、父母が共同して親権を行使すること
はできません。
なので、父母のいずれかを親権者として
定める必要があります。
場合によっては、養育方針などを記載する
こともあり得ます。
⑤養育費
⇒子どもを育てるのに必要な費用であり、
衣食住に必要な経費、教育費、医療費、最低限度の
文化費、娯楽費などのように、
子どもが自立するまでにかかるすべての費用を
含みます。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2018/01/子ども.jpg)
金額、支払期間、支払方法などを記載します。
⑥面会交流
⇒離婚や別居で子どもと離れて暮らす父親や母親
が、定期的に子どもと会って交流するのに、
頻度、1回あたりの面会時間、面会交流の実施に
おいての方法の取り決めなどを記載します。
⑦年金分割
⇒婚姻期間に支払った保険料は夫婦が共同で納めた
ものとみなして、将来の年金額を計算するものです。
以上のようなことを定めて離婚協議書を
作成するには、私文書か公正証書かの
選択肢がありますが、公正証書で作成する
方が断然良いのです。
では、どのようなメリットがあるので
しょうか。
2.なぜ離婚協議書は公正証書で作成すべきなのか?
公正証書とは、裁判官や検察官のOBで
あり、法律の専門家である公証人が作成
する公文書です。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2017/09/公正証書-221x300.jpg)
また、以前の記事でも触れたことがある
ように、
金銭の支払に関して、当事者の相手方が
約束を破った場合に、直ちに強制執行する
旨と債務者が直ちに強制執行に服する旨の
陳述(執行受諾文書)の記載がある
公正証書(執行証書)であれば、
その公正証書は裁判所の判決と同等の
執行力を持つので、裁判で勝訴する手続を
経ることなく、強制執行を行うことが
できます。
なので、離婚協議書を公正証書で作成する
と、養育費や慰謝料などの支払の怠りが
あれば、
裁判所の判決などを待つことなく
直ちに強制執行手続に移ることが
できます。
ここで、どのように強制執行として、
差押手続をどうすれば良いのかという疑問
があります。
3.養育費などが支払われない場合には…
相手方の財産を差し押さえる場合、給与や
預貯金を差し押さえる方法が効果的です。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2018/02/賃金.jpg)
給与を差し押さえるというのは、相手方が
会社に対して持っている給与債権
(会社に対して持っている「給与を
支払ってもらう債権」)という財産を
差し押さえるということです。
相手方が銀行や郵便局に預貯金を持って
いる場合には、預貯金債権(銀行などに
対して持っている「預金を払い戻す
権利」)という財産を差し押さえること
になります。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2018/07/差押-221x300.png)
ここで、給料の差押についてですが、全額
までを対象に差し押さえることは
できません。
給料を全額取られてしまうと、債務者が
生活できなくなってしまうからです。
原則として、給料を差し押さえるには、
給料全額から社会保険料や税金、通勤手当
などを除いた手取りの金額の4分の1が
上限となります。
しかし、養育費のために差し押さえるに
は、手取りの金額の2分の1までを
差し押さえることができます。
ですので、養育費のための差押は
2分の1まで可能ですが、
慰謝料のための差押は原則通り4分の1まで
なので、その取扱いが異なる点については
注意が必要です。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2018/01/注意点.png)
また、預貯金債権の差押については、
養育費や慰謝料を問わず、
差押の取扱いに違いはありません。
4.まとめ
いかがだったでしょうか。
離婚協議書は、言った・言わないでの
揉め事のために備える証拠となり、
公正証書にしておくことで、支払が滞った
場合に、裁判手続を経ることなく、すぐに
強制執行を行い、給料や財産の差押が
できます。
そして、離婚に伴う財産分与や慰謝料請求
には時効(財産分与が2年、慰謝料請求が
3年)があります。
たとえ今が良くても、相手方の生活状況が
変わって請求が困難になる事態も
考えられるのです。
また、年金分割の合意に基づいて年金分割
する場合には、離婚協議書の公正証書謄本
などが必要になります。
あなたも離婚について、同じようなことで
お悩みではないでしょうか。
いまいちピンと来られていない方は、
ご自身で悩み判断せず、
是非お問い合わせください。
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