LGBT話題でカップルが同居生活する際。夫婦の日常家事債務の規定を考えると…

同性カップルが共同生活を営む場合や、

ペアローンを組む前提として

パートナーシップ契約書を作成する際に、

日常家事においてお互いの代理権について

の条項に触れることがあります。

 

 

以前の記事でも触れたことがあるように、

同性カップルがパートナーシップ契約で将来の紛争予防!何を決めるべきかよく分からない方へ。

2017年9月1日

 

民法上で予定されている、異性間の婚姻の

場合には、夫婦の権利義務関係においては

規定されており、自動的に民法上の条文や

過去の裁判例の解釈に従って様々な事例を

検討していくことになります。

 

 

しかし、日本の現行法では、同性カップル

への適用を予定されていないため、

当事者の契約として締結することで

はじめてその権利義務関係が形成される

ことになります。

 

 

そして、民法761条では、夫婦の日常家事に

関する債務の連帯責任の内容として、

「夫婦の一方が日常の家事に関して第三者

と法律行為をしたときは、他の一方は、

これによって生じた債務について、

連帯して責任を負う。

ただし、第三者に対し責任を負わない旨を

予告した場合は、この限りでない。」

と規定しています。

 

 

 

 

 

 

この規定は、家事処理の便宜を図り、かつ第三者の

取引安全を保護するのが趣旨です。

 

 

その前提として、夫婦相互に法定代理権が

認められていると解されています。

 

 

そして、同性パートナーシップ契約書の

条項においても、この規定を参照して

一契約内容として定めることがあります。

 

 

では、日常家事に関する代理権とは一体どのような

内容なのでしょうか。

 

 

1.「日常の家事」の定義とは…

夫婦の日々の生活は、必要な食料品や服の購入、

家屋の賃借、電気やガスの供給契約の締結、

子の教育など、様々な法律行為の繰り返しとも

いえます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日常の家事とは、夫婦とその未成熟子の

日常の共同生活のために必要な一切の

事務を指しますが、具体的な範囲は、

個々の夫婦の社会的地位・職業・資産・

収入や地域社会の慣習などにより

異なります。

 

 

ただ、何の相談もなく家を買ったり、

ギャンブルのための多額の借金などは、

日常の家事には含まれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では、夫婦が互いに日常家事代理権を有していると

解釈すると、第三者との取引ではどのようになる

のでしょうか。

 

 

2.権限外の代理行為をどのように扱うのか…

民法では、表見代理の規定が定められて

います。

 

表見代理とは、代理権を持たない者が

代理行為をした場合に、

本人と無権代理人との間に特殊な関係が

あるために、その無権代理行為を代理権

がある行為と同様に扱い、本人に対し

効果を帰属させる制度です。

 

 

 

 

 

 

そもそも無権代理行為は、原則として、本人に対し

効力を生じないのですが、

代理権があるかのような外観があり、

その外観の形成に本人に責任がある場合には、

外観を信頼した者を保護して取引の安全を図る必要

があるということが、表見代理の制度趣旨なのです。

 

 

 

 

 

 

表見代理のうち最も多く見られる場面が、

権限外の行為(越権行為)です。

 

 

例えば、建物の賃貸借契約をする代理権を与えて

いただけなのに、売買契約まで結ぶような行為です。

 

 

日常家事代理権を基本代理権として、

権限外の行為において表見代理を

成立させるかどうかについて、

判例(最判昭和44年12月18日)では、

越権行為の相手方が、その行為が夫婦の

日常家事に関する法律行為の範囲内に

属すると信じることに正当な理由がある

ときに限り、表見代理(越権行為)の

規定(民法110条)の趣旨を類推適用する

ものとしました。

 

 

もし民法110条を直接適用し、表見代理の成立を

一般的に認めてしまうと、

夫婦の財産的独立を損なうおそれがあり、

夫婦の一方が勝手にしたことに対し、その配偶者が

責任を負う(支払いなどを強制させられる)ことを

防ぐために、

「趣旨の類推適用」にとどめられているのです。

 

 

3.まとめ

いかがだったでしょうか。

 

カップルが同居していく上で、日常家事と

いう問題はつきものです。

 

 

法律上の配偶者(夫婦)の場合は、

日常家事債務について民法が自動的に

規定してくれていますが、

同性カップルに当然に規定されているわけ

ではありません。

 

 

なので、お互いの日常家事代理を

どのようにするかを検討することも重要

です。

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