パートナーが長らく音信不通・行方不明のとき。残された者ができることとは…

人は、何かの事情により音信不通

行方不明になることがあります。

 

交通事故、誘拐、遭難などの事件に

巻き込まれたり、莫大な借金がある・

人間関係に嫌気がさすなどの理由で自ら

消息を絶つなど、原因は様々です。

 

 

もし、同性カップルパートナーの消息が

不明な事態であれば、残された側にも、

何かしらの不利益は起こり得ます。

 

 

消息が不明など、住所等を去って容易に

帰ってくる見込みがない者を不在者

いいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

不在者とはいえども、死亡しているわけ

ではないので、人間として様々な権利義務

の帰属主体となります。

 

 

不在者に財産がある場合、それを放置して

おくと消失する可能性があり、利害関係人

が不利益を被るので、財産を管理する必要

があります。

 

 

また、不在者の生死不明の状態が長期間

続くと、相続や生命保険金の受取りが

できず、残された者の地位が不安定に

なり、利害関係人に影響を与えることに

なります。

 

 

上記のようなケースのために、不在者の

代わりに財産管理を行うのを

不在者財産管理人制度といい、

不在者が一定要件を満たした場合に法律上

死亡したものとみなすのを失踪宣告制度

いいます。

 

 

ほかに、パートナーシップ関係や養子縁組

などの身分関係ではどうなるのかという

問題もあります。

 

 

では、パートナーが行方不明の場合に

講じる方法として、具体的にはどのような

ものなのでしょうか。

 

 

1.行方不明者の代理人、不在者財産管理人とは…

不在者であっても、その者に不動産などの

財産がある場合、その財産を管理する必要

が生じます。

 

現実的には、相続時に相続人の一部が

行方不明になっているようなケースが多い

ようです。

 

 

ここで、「不在者」の定義には、行方不明

からある程度の期間が経過していることが

条件として挙げられます。

 

 

そもそも、不在とは、従来の住所又は居所

を去ったことをいい、生死不明であること

までは求められませんが、当分帰来する

見込みがない状態をいいます。

 

 

なので、ほんの数日間音信不通の場合は、

不在者とは認められにくいように

思われます。

 

 

そして、不在者の代わりに財産管理を行う

不在者財産管理人は、家庭裁判所が

利害関係人又は検察官の請求によって選任

します

 

 

 

 

 

 

もし、行方不明になった者のパートナーが

その者に金銭面や相続などにおいて法律上

利害関係があれば、不在者財産管理人

選任の申立権者の利害関係人に該当する

ので、その申立てをすることができます。

 

 

ただし、不在者にすでに法定代理人がいる

場合や、行方不明になる前に任意で

財産管理人を選任していた場合には、

すでに財産管理を行う者がいる以上、

家庭裁判所は別途干渉するわけではない

ので、不在者財産管理人を申し立てること

は、原則的にできません。

 

 

不在者財産管理人に選任される者は、本人

からみて相続などの利害関係のない第三者

が一般的で、その候補者がいない場合や

候補者がいてもその者が不適任な場合は、

家庭裁判所が弁護士などの専門家を選任

します。

 

 

次に、不在者財産管理人は、不在者の

財産を扱うのに何でもできるわけでは

ありません。

 

不在者財産管理人は、権限の定めのない

代理人として、以下の行為のみについて

権限があります。

 

 

保存行為

財産の現状を維持する行為を指し、家屋の

修繕や未払金の支払などが挙げられます。

 

 

 

 

 

 

 

性質を変えない範囲内における利用行為

や改良行為

 

 

売却などの処分行為や相続での遺産分割

などは、上記の権限を超える行為になる

ので、そのような行為を必要とするとき

は、家庭裁判所の許可を得なければ

なりません。

 

 

そして、不在者財産管理人は、選任申立て

の目的となった行為が終わった後でも、

それだけで職務が終了するわけではなく、

財産管理人としての立場は続きます。

 

 

不在者財産管理人の職務は、

「不在者が現れたとき」、

「不在者の死亡が確認されたとき」、

「不在者について失踪宣告がされた

(死亡したものとみなされた)とき」、

の3つのケースのいずれかになった場合に

終了します。

 

 

では、不在者を死亡したものと扱う

失踪宣告とは、どのような制度なので

しょうか。

 

 

2.行方不明者を死亡したと扱う、失踪宣告とは…

不在者については、その者のための

財産管理人を選任するほかに、不在者の

生死が明らかではない状態が一定期間経過

したときには、失踪宣告により、不在者を

死亡したものとみなすことができます。

 

失踪は、その態様により普通失踪

特別失踪の2種類に分かれます。

 

 

 

 

 

 

どちらの失踪の場合も、利害関係人が

家庭裁判所に請求することにより失踪宣告

ができます

 

 

利害関係人には、相続人、受遺者、親族、

不在者財産管理人などが含まれます。

 

なので、残されたパートナーが上記の者に

該当すれば、失踪宣告の申立てが

できます。

 

 

ちなみに、不在者財産管理人と異なり、

検察官が申立権者に含まれない理由は、

失踪者の帰りを待つ親族の感情を考慮して

国家機関たる検察官を申立権者にして

いないと考えられています。

 

 

普通失踪の場合、不在者の生死が7年間

明らかではないことが要件になります。

 

 

一方、特別失踪の場合の要件は、死亡の

可能性が高い危難に遭遇した不在者の生死

が、危難の去った後1年間明らかでない

ことです。

 

 

危難に遭遇するとは、戦争に行った場合や

船舶の沈没事故や震災に巻き込まれる場合

などのように死亡の原因となりやすい

ケースをいいます。

 

 

 

 

 

 

手続上、不在の事実を証する書面として、

警察署長の発行する家出人届出受理証明書

が必要になるので、警察署への捜索願

(行方不明者届出)をしておくことが重要

です。

 

 

そして、失踪宣告がなされると、

普通失踪の場合、要件である7年間の

期間満了時に死亡したものと

みなされます。

 

失踪宣告時ではありません。

 

 

一方、特別失踪の場合は、危難の去った

ときに死亡したものとみなされます。

 

危難の去ったときから1年後では

ありません。

 

なので、例えば、船舶の沈没の場合は、

沈没時になります。

 

 

さらに、失踪宣告の審判が確定したら、

申立人は10日以内に、不在者の本籍地か

申立人の住所地の市区町村役場に失踪の

届出をしなければなりません。

 

 

失踪の届出が受理されることで、不在者の

戸籍に失踪宣告がなされたことが記載

されます。

 

 

ちなみに、ケースによっては、震災などの

行方不明者において、民法上の失踪宣告の

手続を経ずに、市区町村が死亡届を受理

できることがあります。

 

 

これは、戸籍法上、死亡届の添付書類に

ついて、やむを得ず診断書などを

得られないときは、震災時の状況や経緯

などを記載した書面を死亡届に添付すれば

受理できるからです。

 

 

また、水難・火災などの事変によって

死亡が確実と認められるものの、死体が

確認できない場合に、その取り調べをした

官公署からの死亡報告によって本人戸籍簿

に死亡の記載を行う、認定死亡という制度

もあります。

 

 

では、パートナーが行方不明の場合、

パートナーシップ関係はどうなるので

しょうか。

 

 

3.パートナーシップ関係の終了原因を決めておくことは重要!

法律上の夫婦では婚姻関係を終了させない

と、他の者との婚姻をしようと思っても、

重婚に該当してできないことになります。

 

 

そして、同性カップルでパートナーシップ

契約を締結した場合にも、その条項の中に

他の者との婚姻・パートナーシップ契約

締結を禁止する規定を定めることが

あります。

 

 

夫婦が離婚するにあたり、民法上裁判離婚

の離婚原因の中には、以前の記事でも

触れたことがあるように、

LGBTのカップルにおいて同性カップルになる場合、離婚の定義とは?

2018年5月14日

 

3年以上の生死不明」があります。

 

 

婚姻関係が終了するのは、離婚する以外に

配偶者の死亡が原因となることが

あります。

 

 

しかし、行方不明の配偶者が失踪宣告の

手続によって死亡したものとみなされる

手続を経なくても、3年以上の生死不明を

理由に裁判離婚することができます

 

 

そして、同性カップルがパートナーと

別れる場合、法律上の離婚に該当しない

ので、パートナーシップ契約書を作成する

際には、パートナーが3年以上生死不明の

ときにパートナーシップ関係が終了する

条項を入れておくことが良策です。

 

 

 

 

 

 

また、カップルで養子縁組をしていた場合

には、裁判上で養子縁組解消(離縁)を

するための法定原因の中に、3年以上の

生死不明があるので、それを理由に

裁判離縁を提起して養子縁組を解消する

余地はあります。

 

 

4.結論

いかがだったでしょうか。

 

パートナーが行方不明者となった際には、

パートナーシップ関係と財産管理・承継で

問題が起こり、不在者財産管理人制度や

失踪宣告制度のどちらを利用した方がいい

のかも事例により異なります。

 

 

あなたもパートナーが音信不通や行方不明

で財産関係などの点や、将来そうなった

ときにどのように備えればいいのかという

ことでお悩みではないでしょうか。

 

 

いまいちピンと来られていない方は、

ご自身で悩み判断せず、

是非お問い合わせください。

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