自分の人生の終わりを
よりよく迎えるために、
積極的に準備をする活動を、
いわゆる「終活」といい、
終活をする人は年々増加しています。
ご自身の心身の自由が失われた際の対処の
仕方や、
終末期医療の意思選択、
葬儀の方法やお墓について、
遺された家族への遺産の分割方法など、
死において、
本人の意思を尊重すべき様々な問題が
あります。
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![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2018/01/墓.jpg)
また、セクシュアル・マイノリティの
カップルの方々も、
終活に対する意識が高い傾向があります。
終活において、最も手軽なのが
「エンディングノート」
のように思われます。
書店にも数多く置いてあり、
銀行や葬儀屋さんなどでももらえるところが
あるようです。
エンディングノートとは、
家族・同居人へのメッセージや財産に
ついて、
葬儀の希望などをノートに
記入していくものです。
しかし、
「エンディングノート=遺言書」
と誤って認識されている人が
増えてきています。
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たしかに、エンディングノートは、
自分の意思を書き残すことができるので、
一見遺言としての効力があるように思え、
そのように勘違いされることが
多いように思えます。
では、エンディングノートと遺言は
何が違うのでしょうか。
1.そもそも遺言とは…
遺言書に記載をしておけば、
どのようなことでも
法的な拘束力が発生するというわけでは
ありません。
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遺言書に記載することによって、
遺言としての法的効力が生じる事項は、
民法などの法律によって限定されています
(遺言事項法定主義)。
主に、相続分に関する内容や、子の認知・
未成年後見人の指定などです。
遺言は、遺言者の一方的な意思表示によって
法的効果を生じるものの、相続開始後になれば、
その遺言者の意思を確認することは
できなくなります。
にもかかわらず、あまりに無限定に遺言事項を
認めてしまうと、権利関係が曖昧になってしまい、
相続人や利害関係人に迷惑をかけ、
場合によっては紛争が多発してしまうおそれが
あります。
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よって、遺言の明確性を確保して
後日の紛争の拡大を予防するために、
あえて法は、
遺言事項法定主義を採用して、
遺言事項を限定しています。
では、エンディングノートは、
何のためにあるのでしょうか。
2.エンディングノートの役割とは…
実際に
一般的なエンディングノートは、
法的に有効な遺言とはなり得ません。
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あくまで、
死後に身内にやっておいて欲しい要望を
書き残しておくノート止まりになります。
なので、
その内容を実現する義務もない
のです。
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ノートに書いたから安心だということでは
決してなく、
ノートの内容を死後に実現してもらう
ようにするには、
正式な遺言書が必要になります。
その点を踏まえれば、エンディングノートは、
自己の考えの整理に活用していくのが有用的だと
いえます。
3.まとめ
いかがだったでしょうか。
遺言の法定事項は遺言を作成し、
遺言の法定事項でない事柄については
エンディングノートを作成するという
役割分担も考えられます。
そして、遺言書を作成する際には、
以前の記事でも触れたことがあるように、
公正証書遺言でする方が望ましいです。
また、ご自身が亡くなった際に、
パートナーにやってもらいたいこと
として、
「死後事務委任契約」
(亡くなってから効力を発生させる
委任契約)を講じておくことも有効的
です。
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