アウティングの追及について。民事責任と刑事責任とでは…

LGBT(セクシュアル・マイノリティ)

当事者が抱える問題のうち、アウティング

があります。

 

 

アウティングとは、本人の承諾を

得ないで、その者の性的指向や性自認を

公表することをいいます。

 

 

まず、アウティング自体は、それによって

プライバシーが侵害されることで、

民事上の不法行為に該当します。

 

 

もちろん、名誉棄損という理由での不法行為責任の

追及も考えられますが、

名誉棄損は社会的評価が損なわれたという考え方に

ありますので、その主張は抵抗があるように

思えます。

 

 

とはいえ、アウティングの態様や程度、

その動機、被害者の性的指向などが

どのくらい周知されていたかなどの事情

次第では、アウティングが不法行為に該当

しないと評価されたり、該当したとしても

被害の程度は低いと評価される場合も

あり得ます。

 

 

では、アウティングをされる前に

何とかしておく方法がないのかという

があります

 

 

 

 

 

 

 

 

1.アウティングを脅し文句にされている場合には…

性的指向や性自認をばらすなどと告げて、

恋人関係の継続を迫ったりすれば、脅迫罪

強要罪に該当する可能性があります。

 

 

 

 

 

 

また、その脅し文句により金品を交付

させたりすれば、恐喝罪に該当します。

 

 

もしすでにアウティングがなされた場合

には、民事上の不法行為以外に、

名誉棄損罪を理由に刑事告訴で責任追及

することができます

 

 

 

 

 

ただ、一旦家族や周囲の人に知られて

しまうと、知られる前の状態に戻すことは

非常に困難なので、早く対応する必要性が

生じます。

 

 

では、アウティングを防ぐために、抑止力

のあることはどのような方法でしょうか。

 

 

2.アウティングを阻止するためには…

アウティングされるかもしれない状況により不安に

なり、精神的に追い詰められることがあります。

 

 

また、相手方の言動からパニックに陥る

ことで、自分ひとりでは迅速な対応をとる

ことが困難な場合もあります

 

 

そのようなときには、弁護士の介入も考慮

し、アウティングの違法性の指摘や、

アウティングをした場合に法的手続

(損害賠償請求訴訟、刑事訴訟)を採る

ことの警告をすることが有用的です。

 

 

また、本人・家族、職場等関係先へ連絡

しないことの要請も踏まえた方が良い

です。

 

 

警告の仕方には、代理人弁護士名義で

内容証明郵便を相手方に送る方法と、

弁護士が同行、又は弁護士のみで相手方に

直接会って伝える方法が考えられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

通知文を送る場合には、絡は代理人

弁護士宛にすることを記載することも、

アウティングの抑止には有効です。

 

 

また、アウティングを抑止するために策を

講じる際に、弁護士の介入が、金銭面や

気持ちの面で抵抗がある場合もあります。

 

 

そのような場合には、通知文の作成自体の

相談をし、発送するのは本人名義でする

ことも考えられます。

 

 

3.まとめ

いかがだったでしょうか。

 

アウティングをされる前後で対応は

変わりますが、事前に防止するための警告

は重要です。

 

 

また、雑誌などでアウティングされる

おそれがある場合には、出版等の差止めを

裁判所に申し立てる方法もあります。

 

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