企業がセクシュアル・マイノリティを理由
に不採用とする場面は、
残念ながらあるようです。
例えば、会社の新卒採用面接において、面接担当の
役員による最終面接の際に、
「何か他に言いたいことはありますか。」
との問いに、
自分を偽って生きるのはつらいので、
セクシュアル・マイノリティであることを
話したとします。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2017/11/面接-300x168.jpg)
そして、最終面接が候補者の最終意思確認
の形式的なものにすぎないはずなのに、
その方以外の候補者が全員採用され、
その方が不採用になるという、
明らかにセクシュアル・マイノリティ
を理由にしている
ようなケースがあります。
このように採用拒否の場合以外にも、
内定取消しや試用期間中の本採用が拒否
されるというケースもあります。
たしかに、企業がどんな人を雇うかという判断
(採用・不採用)について、ある程度の自由は
あります。
そして、社会的身分を考慮することは、
憲法にいう法の下の平等に反するとは
いえ、
「あくまで憲法は国家と国民との間に
おいて規律する法であり、
私人間においてはその主張は困難だ」
という考えから、諦める傾向もあります。
だとしたら、このような企業が存在すると
いうのは、
セクシュアル・マイノリティの当事者の方
が就職・就業のために自分を偽ることを
強いられる状況になりかねないのです。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2017/11/偽る.jpg)
また企業側も、その方が大事にはしたく
ないはずと高を括っていることもあるの
です。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2017/11/高を括る-300x164.jpg)
実は、法的に争える可能性はあるのに、
その方法や理屈を知らないだけで
大きいチャンスを失うことになるのは
珍しくないのです。
また自身の受けた精神的苦痛をお金に
変えることができたら、
また新たなスタートを切れることにも
つながります。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2017/11/慰謝料.jpg)
では、そのような不当な差別に対して
どのような対処方法があるのでしょうか。
1.企業に対して何を追及するのか…
セクシュアル・マイノリティを理由に
採用拒否するのは、
不当な差別として争う余地はあります。
採用前の段階は、労働契約前ですので、
採用への期待権を侵害したという
理由で、
不法行為に基づく損害賠償請求
という選択肢が考えられます。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2017/11/追及.jpg)
そもそも、セクシュアリティは個人の
プライバシーの問題であり、
職務遂行上の能力とは関連性がないので、
採用において考慮されるべき内容では
ありません。
また、企業側が採用にあたり、求職者の
性的指向について質問・調査をすることも
慎むべきなのです。
求職者はそれに対する回答義務も
ありませんし、
回答しなかったことを理由に採用拒否した
場合も同様に争う余地があるのです。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2017/11/調査.jpg)
では、求職者の人権を全うするには、どうすれば
良いのでしょうか。
2.企業の採用の自由vs求職者の人権
企業側にとって、
求職者を採用拒否・内定取消し・
本採用拒否とするのは、
一定の要件があるのです。
それは、企業側が当初知ることができず、
また知ることが期待できないような事実を知った
ときに、その事実に照らしてその者を引き続き雇用
するのが不適当だと判断するのが、
趣旨・目的に照らして、客観的に合理的な理由が
存在し社会通念上相当と是認し得る場合にのみ
許される、ということです。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2017/11/よく分からん.jpg)
なんだか堅苦しい文章ですが、
簡単に先ほどのケースに当てはめると、
セクシュアル・マイノリティである
ことでその職務遂行に影響が出る
場面でない限り、
採用拒否・内定取消しなどが違法で
ある可能性が高いのです。
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3.まとめ
いかがだったでしょうか。
企業側の採用の自由と応募者の人権配慮
は、いつの時代でも衝突することは
あります。
企業に追及する内容も、あくまで一例です
し、追及の仕方の段取りもケースによって
それぞれです。
セクシュアル・マイノリティにおける
採用・内定でのトラブルでは、
知らないが故に損をすることも
珍しくありませんので、
企業側が違法・不当な差別をしてないかを
探ってやろうという姿勢ぐらいで
ちょうどいいのかもしれません。
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