性別取扱変更の要件の経緯・疑義について

昨日は、大阪で関西レインボーパレードのイベント

に参加しました。

 

右手にレインボーの幕を握り、

左手に「性別取扱変更の要件を緩和しろ」という旨

のメッセージを持ちながら、行進しました。

 

 

性別取扱変更について、

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に

関する法律(以下、特例法という。)

では、要件として、

 

20歳以上であること

 

現に婚姻をしていないこと

 

現に未成年の子がいない

 

生殖腺がない又は生殖腺の機能を永続的

に欠く状態にあること

 

その身体について他の性別に係る身体の

性器に係る部分に近似する外観を備える

こと

 

という、5つの要件があります。

 

これらの要件は、性別取扱変更によって生じる、

他者・社会への影響や、家族制度・秩序への

影響等に対する配慮や、その関連する制度との

整合性等への考慮を踏まえて、

政策的な判断によって設けられています。

 

 

 

ところが、本当に現行法のままでよいのか

という疑義はあるのです。

 

 

1.自分が成年者・婚姻をしていないことについて

当事者が20歳以上であるという

①の要件は、性別を変更するという

不可逆的な手術の伴う、重要な判断を行う

ためには、成年に達している必要があると

いうことです。

 

これは、特に不当な要件でもないです

ねぇ。

 

 

②の要件で、自分が婚姻していないという

のは、まだ日本で同性婚が認められて

いないからです。

 

なので、同性婚が認められているドイツやオランダ

では、この要件は、削除されています。

 

 

 

 

では、③の未成年の子がいない要件に

ついては、どうなのでしょうか。

 

 

2.現に未成年の子がいないことについて

実は特例法が成立した当初は、

「現に子どもがいないこと」という、

いわゆる子なし要件と呼ばれる要件

でした。

 

 

つまり、子どもがいる場合は、一切の

性別取扱の変更を不可能とするもの

でした。

 

 

これは、成立当初から非常に不合理との批判を受け、

この要件が違憲であると争われた事案では、

親子関係等の家族秩序に混乱を生じさせたり、

子の福祉に影響を及ぼすことのないようにする必要

から、違憲ではないとの判断がなされたのです

(東京高裁2005年5月17日決定)。

 

 

ただ、その後の運動を契機として、

親子関係等の家族秩序や子の福祉等のため

の必要性とはいえ、当事者の幸福追求権

(憲法13条)や、法の下の平等

(憲法14条)の観点から、その制約は

最低限にすべきとの検討が改めてなされ、

現在の「現に未成年の子がいないこと」に

改正されたのです。

 

 

ただ、子が未成年の間は、親は自認する

に反して子と接し続けることが、

本当に「子の福祉」を全うするのか

疑問視せざるを得ないと思います

 

 

では、④・⑤の手術要件については、

どうでしょうか。

 

 

3.性別適合手術の要求について

性別適合手術を課しているのは、変更前の性別の

生殖機能により子が生まれることで、

社会的混乱や、外観から生じる生活上の混乱を防止

するためといわれています。

 

 

しかしながら、

性別適合手術は、身体への重大な侵襲

を伴い、体質によっては手術を受ける

ことができない場合もあります

 

 

よって、この要件の必要性については

疑問視されています。

 

ちなみに、諸外国のドイツやオランダ

では、性別適合手術は、必須の要件と

されていません。

 

 

4.まとめ

いかがだったでしょうか。

 

時代によって、社会的な認識・理解や、

当事者を取り巻く状況は常に変化し、

家族制度や法体系を絶対視することは

必ずしも優先すべきことでも

ないはずです。

 

 

日本でも、当事者のニーズに

寄り添いながら、性別取扱変更に関する

要件を再考する必要がある思います。

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