同性カップルで共有名義のマンションがある場合。相続で注意することとは…

LGBTの相続問題に関してよく話題になる

のが、同性カップル間で一方が死亡した

ときにパートナーへの権利承継です。

 

 

 

 

 

 

財産には、二人別々名義のものもあれば、

共有名義のものがあるケースも

考えられます。

 

 

 

 

 

 

共有物に関する相続において、

亡くなった本人に相続人がいなくて

さらに、特別縁故者もいない場合には、

その共有持分は共有者に帰属します。

 

 

つまり、同性カップルのケースでは、

亡くなった本人に法定相続人がいない場合

やその全員が相続放棄した場合に、

特別縁故者がいるかいないかの問題が

生じ、パートナーが特別縁故者として

財産承継をする手続を家庭裁判所にした

ものの認められなかったケースが前提に

なります。

 

 

なので、亡くなった本人に戸籍上相続人が

いなければ、直ちにその持分が共有者に

帰属するというわけではないのです。

 

 

上記のことを考慮すると、カップルの

共有物であれば、パートナーが特別縁故者

として財産承継できなくても、共有者

して持分を取得できるのであればそれで

いいのではないかと一見思えそうですが、

実はそのための手続などのことでの

デメリットや注意することがあります

 

 

 

 

 

 

特に、マンションの相続については、

原則的な権利承継と異なります

 

 

では、どのようなデメリットがあり、それ

をどう回避していくべきなのでしょうか。

 

 

1.特別縁故者がいないことを確定させる必要がある!

同性カップルで、亡くなったパートナーに

相続人がいなくて、遺された当事者が

特別縁故者に認められなくて、共有者の

立場としてパートナーの財産の持分を承継

するとしても、特別縁故者がいないことを

確定させるために、家庭裁判所に

相続財産管理人の選任を申し立てる必要

あります

 

 

 

 

 

 

これについては、以前の記事でも触れた

ことがあるように、

同性カップルのパートナーに法定相続人がいない場合…特別縁故者で注意することは…

2017年12月10日

 

手続に時間がかかることや、申立ての際に

収入印紙や郵便切手など以外に、

相続財産管理人の報酬相当額の予納金が

必要になるというデメリットがあります。

 

 

まず、相続財産管理人が選任されると、家庭裁判所

がその旨を公告します。

 

 

家庭裁判所が相続財産管理人の選任の公告をした後

に、2か月以内に相続人の存在が明らかに

ならなかったときに、

相続財産管理人が遅滞なくすべての相続債権者・

受遺者に対し、2か月以上の一定の期間内に、

その請求の申出をすべき旨を公告します。

 

この公告は、相続人を捜索するための2度目の公告も

兼ねていることになります。

 

 

そして、その2度目の公告期間が満了した後も、

相続人の存在が明らかでないときに、家庭裁判所が、

相続財産管理人の請求によって、

相続人がいるならば、6か月以上の一定の期間内に、

その権利を主張すべき旨を公告します。

 

この公告は、最後(3度目)の相続人捜索の公告

です。

 

 

この最後の相続人捜索の公告の期間内に、

相続人としての権利を主張する者がいない

ときに、相続人不存在が確定します。

 

 

なので、公告期間からもいえるように、

相続人不存在を確定させるのには、

相続財産管理人の選任申立てから

少なくても10か月はかかるのです。

 

 

 

 

 

そして、相続人不存在が確定して、

パートナーが特別縁故者として財産分与

請求をするには、最後の相続人捜索の

公告期間の満了後3か月以内にしなければ

なりません。

 

 

仮に、特別縁故者への財産分与が

認められることを希望せず、共有者の立場

で財産の持分を承継することを想定して

いても、相続人不存在が確定してから

3か月の期間を経過する必要があります

 

 

 

 

 

さらに、対象財産がマンションであれば、

亡くなったパートナーの持分を共有者の

立場としても承継できないことが

あります。

 

 

2.カップル共有名義でマンションの相続は、事情が異なる!

同性カップルの生活事情においては、

以前の記事でも触れたことがあるように、

LGBT話題でよくあるパートナーと不動産を購入!ローンで注意することがあります。

2018年2月11日

 

ペアローン(共同ローン)を組み、

共有名義でマンションを購入するケースも

あります。

 

 

ただ、マンションには、専有部分(部屋)

と敷地利用権とを分離して処分することが

できないため、権利の承継にも制限が

あります

 

 

 

 

 

専有部分と敷地利用権の分離処分が禁止されている

のは、不動産登記が複雑になることを回避し、

また、区分所有者でない敷地利用者が発生するなど、

マンション内での規約や集会決議の効力の及ばない

者が生じるのを回避するためです。

 

 

民法上では、共有物に関して、

「共有者のうち1人が、その持分を放棄したとき、

又は相続人(特別縁故者も含む)がなく死亡した

ときは、その持分は、他の共有者に帰属する」

とされています。

 

 

しかし、この規定は、マンションの

敷地利用権に関しては適用されません

 

 

これは、敷地利用権が区分所有者全員の共有の場合

に、民法上の規定に従って敷地の共有持分が

他の敷地利用権の共有者のものになってしまうと、

専有部分と敷地利用権が別人に帰属してしまい、

結果的に分離処分したのと同じになってしまうので、

このような事態を防ぐためです。

 

 

なので、マンションの共有持分の相続

おいて、相続人不存在のケースでは、

専有部分と敷地利用権は一体として

特別縁故者に分与されるか、国に帰属する

かのどちらかになります

 

 

 

 

 

 

 

3.まとめ

いかがだったでしょうか。

 

相続において、遺されたパートナーが

特別縁故者でもあり、共有者でもある場合

でも、事前に何も策を講じなければ面倒な

手続をしなければならなかったり、

権利承継に影響が出ることがあります。

 

 

なので、生前に遺言書を作成することが、

遺産承継においてより安全で経済的とも

いえるのです。

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