生命保険を契約した際に、
最初の受取人を親族にしていたが、
後に別の親族や
親族以外の第三者に変更したいという場面
は、今の時代珍しくないようです。
同性カップルにおいても、
新しくパートナーになった方を
受取人にしたい
と思うことは十分にあり得ます。
そのような場合に、
遺言書によって保険金の受取人を
変更することはできますが、
その後の手続おいて思わぬ落とし穴
があります。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2017/12/遺言書-300x166.jpg)
生命保険金の受取人変更手続は、
通常、保険契約者が保険会社に所定の書類を提出
することによってなされ、
保険証券上の受取人の記載も変更され、
保険金の支払手続はスムーズに行われます。
ところが、遺言書による場合は、
事前に保険会社に通知されることは
ありませんので、
保険証券上の表示も元の受取人のままに
なっているので、
問題がありそうに思えます。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2017/12/保険証券.jpg)
では、将来トラブルにならないようにするには
どうすれば良いのでしょうか。
1.遺言書によってパートナーへ保険金受取人の変更について
従前の保険約款では、
遺言書による保険金受取人の変更について規定が
なく、
保険会社によって様々な扱いがなされてきたようですが、
商法の改正に伴い、平成22年4月1日に
新しく保険法が施行され、
遺言書による保険金受取人の変更ができる
ことが明確になりました。
これは、生命保険契約の約款にそのような記載が
なかったため、遺言書で受取人を変更した場合に
新たな受取人が保険金を受け取れないという
トラブルが続出していたことから
見直された改正なのです。
しかし、本人が亡くなった後、
遺言書に保険金受取人変更の記載が
あれば、すぐに保険会社にその旨を
通知しなければなりません。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2017/12/保険会社-1.jpg)
もし、通知がないまま、保険会社から元の
受取人に保険金が支払われてしまうと、
遺言書で新たに受取人と指定されて
いたとしても、
保険会社から保険金を受け取ること
ができなくなってしまう
のです。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2017/12/受け取れない.jpg)
ほかに、保険金受取人以外の点でも、注意すること
があります。
2.いつの契約かも重要!
遺言書で保険金受取人を変更できるのは、
平成22年4月以降に締結された生命保険契約に
限定されています。
なので、保険法施行以前に契約したものは
保険法上では、
遺言書での保険金受取人の変更は
できないのです。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2017/09/朗報-1.jpg)
この場合、各生命保険会社の約款に従って
手続をすることになるので、
受取人を変更したいと思ったら、
まずご加入の保険会社に手続を聞いておく
ことが無難です。
また、契約書や約款によって、
受取人を変更できる範囲が親族に制限
されている場合もあるので、
注意が必要です。
3.まとめ
いかがだったでしょうか。
保険法によって、遺言書による保険金
受取人の変更が明確に認められるように
なったとはいえ、
このやり方は様々な二次的紛争を
引き起こしやすいともいえます。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2017/12/争い.jpg)
保険証券に受取人と表示されたままで
あれば、保険金を受け取れることを期待
するでしょうし、
その後に発見された遺言書によって、
これが受け取れなくなったり、
遺言書の存在を知られる前に保険金を受領
した後に、返還を求められたりすれば
大変な混乱を招くことになります。
元の受取人が誰かによっては、
生前に保険会社に連絡し、受取人変更手続
を取っておく方が良い場合もあるので、
手続はお早めにしておくことを
おすすめします。
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