5月10日に放送された、読売テレビ番組の
「かんさい情報ネット ten.」のコーナー
「迷ってナンボ!」の中で、
一般人の性別を確認するシーンがあり、
問題になりました。
このコーナーは、芸人の藤崎マーケットが
街を歩いてレポートする内容で、
問題となった企画は、
大阪 十三のお好み焼き屋の店員から
「性別が分からない常連客がいる」と調査依頼の
ような感じで頼まれ、その人物の性別を確認する
という流れでした。
VTRの中では、性別を確認するために
胸を触ったり、保険証を提示してもらう
などといったシーンがありました。
VTR放映後、若一光司さんは、
「男性か女性かという聞き方が、
許しがたい人権感覚の欠如」、
「個人のセクシュアリティに踏み込むべき
ではない」
などと叱責し、スタジオが黙り込み、また
番組に怒りの苦情の声が殺到する事態に
なったようです。
たしかに、そもそも企画が通って放送まで
に至っていて倫理観を疑うようなことと、
当の本人に問題がなく企画の盛り上げに
積極的ということもあるから大丈夫という
発想は問題です。
あのVTRのように、セクシュアリティを
暴かれる、確かめられることが問題ない
というような認識を助長させる危険が
あります。
ただ、放送と世間の反応については、
そもそものテレビ局の認識と、果たして
本当に性の問題意識で炎上しているのかと
個人的には問題に思えました。
2020年のオリンピックの影響で
性的少数派の人権を考えることが普通に
なってきている割には、企画にあがった
こと自体が不思議なものです。
まぁ事実だけを伝える「報道」番組と異なり、
面白さに走る「情報」番組との違いかなとも
思いました。
とはいえ、セクシュアリティや性別のこと
について触れたらタブーというような風潮
もいき過ぎかとは思います。
何かあれば即規制をして蓋をしめるのでは
なく、セクシュアリティとは本来国民皆の
問題だから議論するという流れの方が良い
気はします。
本来、「知らなかったこと」を知ることに
意義があります。
また、この件で問題だな思えたことが、
本質的な問題意識を持っているわけでも
ないのに、
批判する・叩くこと自体が目当ての
風紀委員気取りな者
の存在です。
ネットの方では、大元のお好み焼き屋を潰してやる
といった炎上もあるようですが、
そんな筋違いのコメントをするのが
本当にセクシュアリティに問題意識を持っての行動
か怪しいものです。
倫理観・問題意識、コンプライアンスなど
は、時代の流れによって変わり続けるもの
なので、今日放送コードとしてOKな内容
であったとしても10年後はアウトになる
ことって珍しいことではありません。
ただ、新たな人権問題が起きたときに、
鬼の首を取ったように、問題の本質を
捉えていないくせに正義感をはき違えた
行動や群集心理の方が、ある意味本当に
問題だと感じさせられました。
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