同性カップルの方々で、自分又は
パートナーが将来亡くなった際に、
財産の承継に関して、遺言書で準備する
ことがあります。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2017/09/遺言-2.jpg)
そして、遺言書を書いたけれども、
財産の承継者を変えたい、
新たな資産を取得したけれども遺言書に
その資産が記載されていないので、
書き加えたい、
などのように、遺言書を作成した後に
事情の変更は当然に起こり得ることです。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2017/09/パートナーシップ契約-300x265.png)
では、遺言の変更(撤回)はできるのかと
思われるでしょう。
結論としてはできます!
遺言は、遺言者の死亡の時からその効力が
生じます。
これは、言い換えると、死亡の時までは
何を書いていても効力がそもそも生じて
いないので、遺言者が生存中で、
意思能力があれば、自由に撤回、取消、
変更ができます。
ただ、遺言の内容を自発的に撤回・取消・
変更する方法だけではなく、自分としては
そのつもりがなくても行った行為次第
では、法律的に「撤回したものと
みなされてしまう」場合があるので、
注意が必要です。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2017/09/リスク.jpg)
1.後の遺言で撤回・取消・変更するとき
自発的に遺言を変えることのオーソドックスな
パターンであり、新たに遺言を作成して、
その遺言書の中で前の遺言を撤回する旨を表明する
方法があります。
公正証書遺言を撤回する場合には、公正証書番号や
作成年月日、公証人の氏名等も記載して撤回する旨
を書くようにします。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2017/09/公証人.jpg)
公正証書遺言を撤回するのも自筆証書遺言
で行うこともできますが、撤回の信憑性が
疑われることが十分にあり得ますので、
後の遺言もやはり公正証書で作成する方が
良策です。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2017/09/公正証書-221x300.jpg)
また、遺言には、「後遺言優先の原則」
というルールがあります。
これは、先の遺言と後の遺言の内容が抵触
するときには、抵触する部分について後の
遺言が優先します。
なので、例えば、最初の遺言で
「預貯金はAに相続させる」となっており、
後の遺言で「土地建物はBに相続させる」と
なっている場合、
両者は矛盾する内容ではないため、2通とも有効
です。
あくまで、矛盾する(抵触する)内容に
ついて後の遺言が優先するので、矛盾
(抵触)がなければ、いずれの遺言内容も
有効です。
では、遺言を破棄するのは、どうなるので
しょうか。
2.遺言書を破棄する方法はあるが、注意が必要!
遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、
その破棄した部分については、遺言を撤回
したものとみなされます。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2018/04/遺言書の破棄2.gif)
あくまで、「故意に」破棄した場合で
あって、過失による破棄までは
含まれません。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2018/04/遺言書の破棄-300x256.png)
また、公正証書遺言の場合には、原本が
公証役場に保管されており、遺言者の手元
には公正証書正本が交付されていますが、
正本を破棄しても原本が公証役場に存在
するため破棄したことにはなりません
ので、注意が必要です。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2018/01/注意点.png)
また、自筆証書遺言において、遺言者自身
でなく、将来の相続人が自分に不利な
遺言書を破棄すれば、相続欠格者となり、
遺留分も含めて何も相続できなく
なります。
そして、遺言書の破棄は、私文書毀棄罪に
も該当し、5年以下の懲役という刑事罰の
対象にもなります。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2018/02/犯罪.jpg)
ほかに、自分の意思に関係なく、遺言書を撤回した
ものと扱われるのは
どのようなケースなのでしょうか。
3.遺贈の目的物を破棄又は生前に処分した場合
遺言者が遺贈の目的物を破棄したときは、
遺言を撤回したものとみなされます。
例えば、古い建物を取り壊して新たに建物を
建てた場合、その古い建物を遺贈の目的物として
遺言に記載しているときは撤回されたものと
みなされますので、新たに遺言をし直すべきこと
になります。
![](http://amethysthoumu.com/wp-content/uploads/2018/02/建物取壊し.jpg)
また、遺言者が生前に遺贈の目的物を
第三者に譲渡した(生前に処分)場合も、
遺言を撤回したものとみなされます。
4.まとめ
いかがだったでしょうか。
遺言は将来執行するときに解釈が分かれる
ものや、表現が曖昧なものがあると、
結果として遺言者の意思通りにならない
こともあり得ます。
遺言者の真意を確かめようにも、遺言の
効力が生じた時にはもはや確かめようが
ありません。
ですので、一度作成した遺言の変更は
明確にすることが大切です。
あなたも上記のように、同じようなことで
お悩みではないでしょうか。
いまいちピンと来られていない方は、
ご自身で悩み判断せず、
是非お問い合わせください。
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