同性カップルでパートナーのために遺言書を作成する際に、遺言執行者を定めることの重要性とは…

LGBTのカップルにおける相続問題に

おいて、同性カップルが将来のために

遺言書を作成して準備することは珍しく

ありません。

 

 

 

 

 

 

その内容には、パートナーが承継する

対象財産などや逆死のケースにおいての

予備的記載も考えられます。

 

 

遺言は効力が生じれば、その効果が発生するので、

各別の行為は不要とされていますが、

遺贈がされた場合には、その目的物の保管・引渡・

登記などの手続が必要になります。

 

そのような遺言の内容に必要な行為を行う

ことを遺言の執行といいます。

 

 

遺言の執行は、遺言執行者を定めていれば

その者によってなされますが、

もし遺言執行者を定めていなければ、

遺言者の相続人全員の関与が必要になって

しまうのです。

 

 

 

 

 

 

なので、例えば、パートナーへの遺贈の

財産を家(不動産)にしていた場合には、

遺言執行者を定めていればその者の実印

の捺印とその者の印鑑証明書は必要になる

ものの、遺言者の相続人の捺印は不要

です。

 

 

しかし、もし遺言執行者を定めて

いなければ、遺言者の相続人全員の捺印と

その者たちの印鑑証明書が必要になって

しまいます。

 

 

 

 

 

 

 

ほかに、遺言執行者がいない場合、相続人や受遺者

などの利害関係人が家庭裁判所に請求することで、

遺言執行者を選任することはできます。

 

 

しかしながら、いずれにしても、

遺言の執行手続において時間がかかって

しまいます。

 

 

 

 

 

そして、遺言者の相続人全員の関与が必要

になれば、その方たちが同性カップル事情

について何も知らなかったのが突然知る

ことになり、

理解が得られず感情的になり、

手続に協力してくれないという事態

が起こることも十分に考えられます。

 

 

 

 

 

 

以上のことから、遺言執行者を定めておく

ことは、遺言執行の手続を円滑に進めて

いくためには、重要な記載内容なのです。

 

 

 

 

 

 

 

そして、遺言執行者を定めるには、

誰を指定して、何に注意して定めていけば

よいかが問題となります。

 

 

1.同性パートナーも遺言執行者になれるが、気をつけることがある!

遺言書を作成する際に、遺言執行者を指定

するにあたり注意することは、遺言執行者

になることができない者、

いわゆる欠格事由があることです。

 

 

民法上、次の者は、遺言執行者になること

ができません。

 

未成年者

 

 

 

 

 

 

破産者

 

 

実は、遺言執行者の欠格事由は上記の2つ

だけで、相続人や受遺者は遺言執行者に

なることができます

 

 

なので、受遺者になるパートナーを

遺言執行者に指定することができます

 

 

ただ、遺言執行者に指定された者に万が一

のことがあり、執務を行うのに難がある

場合などに備えておく必要はあります。

 

 

そもそも、遺言執行者の地位は、遺言執行者と

その者を指定した者との間の信任に基づきます。

 

 

このことから、遺言執行者は、病気などの

やむを得ない事情がある場合や、

遺言者が遺言で復任を許している場合でなければ、

別の第三者にその執務を行わせることはできません。

 

 

また、遺言執行者の欠格事由に成年被後見人は

含まれず、理屈上は成年被後見人が遺言執行者に

就任することも可能に思えますが、

遺言執行者として執務を行うにあたりその者の

印鑑証明書が必要になる場合に、

成年被後見人は印鑑登録ができないので、

執務に支障があります。

 

 

 

 

 

 

また、登記手続上などにおいて、成年後見人が

遺言執行者たる成年被後見人を代理することは

できないと解されています。

 

 

よって、遺言執行者を予備的に指定する

ことや復任権の許諾することなどは

将来的には重要な内容です。

 

 

では、遺言執行者になると、どのような

執務や権利・義務があるのでしょうか。

 

 

2.遺言執行者はどんなことをする者なのか…

遺言執行者は、その執務を行うにあたって

は、相続人の代理人という立場に

なります。

 

 

遺言執行者は、相続財産目録を作成して、

相続人に交付しなければなりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、遺言執行者は、相続財産の管理

など、遺言の執行に必要な一切の行為を

する権利義務があるので、遺言執行者が

いる場合に、相続人は相続財産の処分など

の執行を妨げる行為はできません

 

 

相続人がこれに違反してなした処分行為

は、無効になります。

 

 

 

 

 

 

 

ただ、ここにいう相続財産は、遺言の内容

が特定の財産の場合には、遺言執行者の

権利義務はその財産のみにおいてあります

ので、遺言の内容の対象となっていない

財産については相続人は自由に処分する

ことができます。

 

 

ほかに、遺言が自筆証書遺言であり、

遺言執行者がその保管者であったときは、

その遺言の検認手続を家庭裁判所で行う

ことになります。

 

 

 

 

 

3.まとめ

いかがだったでしょうか。

 

遺言書の作成の際には、遺言執行者を

定めておくのとおかないとでは、

手続を進めていく上でのスムーズさが

違います。

 

 

また、公正証書遺言で作成する場合には、

以前の記事にも触れたことがあるように、

LGBTの当事者が相続について公正証書遺言を考える際に、証人をどうするのか?

2018年6月1日

 

遺言執行者は遺言の受益者ではないので、

証人になることはできますが、遺言執行者

がその執務において報酬が発生するので

あれば、公正さにおける良くない疑いを

生じさせないためにも、遺言執行者を担当

する者と証人は別の者がなる方が望ましい

です。

 

 

あなたも遺言について、同じようなことで

お悩みではないでしょうか。

 

 

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