LGBTの相続問題でよく話題に挙がる「遺留分」。遺言で注意することとは…

同性カップルで、将来自分が亡くなった際

財産の権利をパートナーへ移すのに、

生前に遺言で準備しておくことは、

珍しくはありません。

 

 

 

 

 

 

たしかに、遺言でパートナーへの遺贈の旨

を残しておけば、将来の手続としては問題

ありません。

 

 

ただ、遺贈の内容次第では、

亡きパートナーの親族側から財産を

取り戻されることがあるのです。

 

 

 

 

 

 

これは、遺留分といい、一定の相続人の

ために、法律上必ず留保されなければ

ならない遺産の一定割合をいいます。

 

 

 

 

 

たしかに、被相続人は、自己の財産を遺言によって

自由に死後処分できることを建前としていますが、

それまで被相続人の収入に頼って生活をしていた

家族がいる場合もあり、

被相続人の全遺産が、遺贈などにより第三者の手に

渡るとすると、遺された家族の生活に重大な支障を

来すおそれがあります。

 

 

そこで、被相続人の財産処分の自由を

認めつつ、その一定割合については、

一定の相続人の取り分として保障されて

いるのです。

 

 

では、どんな場合に留分を取り戻される

ことがあり得るのでしょうか

 

 

1.パートナーの親族で遺留分権利者になる者と、その遺留分とは…

遺留分がある者(遺留分権利者)は、

兄弟姉妹以外の相続人になります。

 

つまり、子、直系尊属(両親など)は、

遺留分権利者に該当しますが、

兄弟姉妹には遺留分はありません

 

 

そして、遺留分は、直系尊属のみが相続人

の場合は、遺産全体の3分の1となり、

それ以外の場合は遺産全体の2分の1

なります。

 

 

よって、パートナーに子がいなくて、親が

まだ生きている(いわゆる逆死のケース)

場合、基本的に、遺留分がある者は親

なります

 

 

 

 

 

 

 

 

反対に、パートナーがかつて婚姻暦などが

あり、離婚した配偶者との間に子がいる

場合、その子が遺留分権利者になります

 

 

 

 

 

 

 

そして、遺産全体(みなし相続財産)の額

は、「相続財産の価額」に、

「生前贈与の価額」を加えて、

「債務の全額(負債、葬儀費用など)」を

控除した額になります。

 

贈与については、相続開始前の1年間にした

ものに限り、価額に算入されます

 

 

 

 

 

 

 

ただし、カップル当事者、つまり被相続人

と受贈者が、遺留分権利者に損害を与える

ことを知って贈与したなどの場合は、

1年前の日より前にしたものについても

算入されるので、注意が必要です。

 

 

 

 

 

 

ただ、遺留分があったとしても、

必ずしも取り戻されるわけではないのです。

 

 

2.そもそも遺留分を取り戻されるとは…

上記1.に掲げた遺留分の規定に違反する

遺贈や贈与がされたため、遺留分権利者が

受けた現実の相続財産の額が、

自己の遺留分の額に達しない場合が

あります。

 

この状態を遺留分の侵害といいます。

 

 

遺留分の侵害があると、遺留分権利者は、

遺留分を保全するために必要な限度で

遺贈や贈与の減殺を請求でき

これを遺留分減殺請求権といいます。

 

 

 

 

 

 

 

ですので、パートナーが受贈する財産以外

の遺産の額が、遺留分権利者に遺留分

として遺されてあれば、遺留分減殺請求の

問題は生じないのです。

 

 

さらに、遺留分減殺請求権はいつでも行使

できるわけではありません

 

 

遺留分権利者が、相続の開始と、減殺

すべき贈与や遺贈があったことを知った日

から1年以内に行使しないと、

時効によって消滅します

 

また、相続開始のときから10年経過した

ときも、時効により消滅します

 

 

3.まとめ

いかがだったでしょうか。

 

パートナーへの遺贈や生前贈与も、

財産の価額次第では、

遺留分減殺請求される

可能性はあります。

 

 

 

 

 

 

 

ですので、将来遺留分をめぐって紛争性が

ありそうでしたら、遺贈する財産も

ある程度特定しておく必要はあります。

 

 

また、死後事務委任契約のように、

その事務を相続財産から支弁することが

前提となる際にも、遺留分には注意する

必要があります。

 

 

 

 

 

 

 

あなたも将来の相続において、

遺留分に関することでお悩みでは

ないでしょうか。

 

 

いまいちピンと来られていない方は、

ご自身で悩み判断せず、

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