災害の困難リストの見直し!性的マイノリティの悩みを可視化すべし!

本日、阪神・淡路大震災から

30年経ちます。

 

日本では、阪神淡路大震災以外にも、

2011年3月11日の東日本大震災、

2016年4月14日の熊本地震、

2024年1月1日の能登半島地震など、

災害は所々で発生しました。

 

 

災害時に自力での避難が通常の者より

困難な事情があり、

避難行動に支援を要する人々を、

災害弱者と呼ばれることがあります。

 

災害弱者は、防災白書などで表現されることが

あり、

①自分の身に危険が差し迫った時、それを察知する

能力がない、又は困難な者、

②自分の身に危険が差し迫った時、

それを察知しても適切な行動をとることができない、

又は困難な者、

③危険を知らせる情報を受け取ることができない、

又は困難な者、

④危険を知らせる情報を受け取ることができても、

それに対して適切な行動をとることができない、

又は困難な者、

という①~④の条件に一つでも当てはまる人を

指します。

 

具体的には、

障害者、傷病者、高齢者、妊婦、

乳幼児・子ども、短期滞在の外国人、

旅行者(その場所の地理に疎く、

短期滞在の外国人も含む)などが

想定されています。

 

 

 

 

 

 

 

しかし、災害弱者の定義が狭義的であり、

多様なニーズに対応できていない現実が

あります。

 

それはいったいどういうことでしょうか。

1.災害での多様性とは・・・

防災政策で災害時に最も配慮すべき対象を

表す用語には、

災害弱者、災害時要援護者、

災害時要配慮者などがあり、

災害が起こった場合のハンディの有無と、

環境変化(避難生活など)の影響を

受けやすいかどうかを根拠としており、

高齢者・障害者・妊産婦・乳幼児・

傷病者・外国人居住者・旅行者などを

対象としています。

 

 

 

 

 

 

ただ、これは多様性の観点からすると、

狭義的な範囲にすぎません。

 

 

一方、多様性で配慮すれば、

性別、性自認、年齢、障害の有無や種類、

小さな子どもや要介護の家族の有無、

住んでいる地域の安全性、家族構成、

就労状況・経済力、

家庭や社会でにおける発言力、

国籍、人種、母語、宗教などによって、

生活状況が違うので、

災害対策や救護・復興の取り組みも

様々であるという前提があります。

 

では、それを踏まえて、

性的マイノリティにとって

災害時の困難事情はどのようなことが

考えられるのでしょうか。

2.災害時のセクシュアル・マイノリティの困難事情とは・・・

災害時、

性的マイノリティの方々にとっては、

避難所生活を送ること以前に、

避難所に行けなく孤立するリスクがあります。

 

例えば、同性カップルで暮らしていることや、

トランスジェンダーやノンバイナリーの

当事者で見た目と戸籍上の性別が

異なることで、

不審がられたり、

地域住民からの差別や偏見を恐れて、

避難所に行きづらいという問題があります。

 

 

 

 

 

そして、避難所生活を送ることでも、

同性カップルでパートナーを

家族として取り扱うことの可否の

不安や、

トランスジェンダーやノンバイナリーの

当事者にとって

性別やホルモン療法などのことで

様々な困難事例があります。

 

 

例えば、同性カップルでは、

避難所が世帯ごとで管理される際に、

同性カップルが世帯として認められるか

どうか

パートナーとの関係性を説明することで

不利益を被ることにならないかという

精神的な負担

仮設・復興支援住宅にパートナーと一緒に

入居できるかどうか

パートナーの死亡や安否情報を得ることが

できるかどうか

などの不安があります。

 

そして、

トランスジェンダーやノンバイナリーの

性別のことで物資や、

薬剤などの身体的な問題があります。

 

 

 

 

 

 

 

下着や洋服、髭剃り、生理用品などの

男女別の物資をもらいたくても

必要と言い出せなかったり、

不審な目で見られてしまい得られない

リスクがあります。

 

特に、子宮や卵巣がある場合、

生理用品が必要でも見た目から支給を

拒否されてしまう可能性や、

トランス女性で造膣手術を受けている

場合に、出血やおりもののことで

ナプキンなどが必要になるケースも

あります。

 

また、ホルモン療法を受けている場合、

被災時に性ホルモンが不足することで

更年期のような症状が起きる場合が

あります。

 

特に、女性ホルモン療法中の場合、

窮屈な体勢を続けることなどによって

血栓症のリスクを高めます。

 

また、避難所で医療支援の担当者に

必要な薬剤を伝えられない可能性も

出てきます。

 

 

そして、トイレや更衣室・入浴施設

利用において、

不審な目で見られ利用できない懸念や、

トイレに行けないことで膀胱炎のリスクが

高まります。

 

 

 

 

 

 

 

身体な問題以外にも、

避難所名簿で個人情報を記入する際、

見た目と書類の性別、

名前からイメージされる性別が

異なることで不審な目で見られたり、

本人かを疑われてしまい避難所に居づらくなる

精神的な負担もあります。

 

 

同性カップルのパートナーの取扱いの

問題は、

パートナーシップ制度の利用での関係性の

説明材料や緊急連絡先カードの作成などの

対策が考えられ、

また、そもそも制度として、

家族として同等に取り扱うことや、

ヒアリングの際の家族欄への記入など

幅広い関係性を想定し

本人のニーズを尊重する取組みを

すべきです。

 

 

 

 

 

 

トランスジェンダーやノンバイナリーの

当事者にとっての性別のことで起こる

問題に対しては、

男女別トイレだけでなく、

だれでもトイレの用意や

更衣室や入浴施設シャワーなども

男女別のみならず、

ひとりで使える時間を設けるといった

工夫も必要です。

 

 

物資支給では、

男女別の外観で判断しないことや、

渡す際に外部から見えないようにする

工夫や、

洋服などを男女別に分けて提供するのでは

なく、

サイズで分けるような工夫も重要です。

 

 

また、以前の記事でも触れたことが

あるように、

震災の時。性被害の表沙汰になっていない部分にも要注意!

2019年1月17日

 

性被害・性暴力の懸念も考えられ、

女性だけでなく、

男性、

トランスジェンダーや

ノンバイナリーなどの

性的マイノリティであっても、

被害を受ける可能性があります。

 

そのため、

トイレなどの各施設に防犯ブザーを

設置することや、

人目のつかない場所に行く際に

複数で行動することは重要です。

3.まとめ

いかがだったでしょうか。

 

災害弱者、災害時要援護者、

災害時要配慮者など、

用語の違いはあれど、

困難事情にも多様性があるので、

防災計画や避難所運営において

想定されるニーズや、

声なき声を拾うことが

非常に要請されます。

 

 

また、

そもそも、自分が性的マイノリティである

ことを明かして相談することが難しい

ケースもあり、

避難所運営においてニーズを

すくい上げられるよう、匿名で提出できる

目安箱などの設置、

男女共同参画推進センターなどの

連携により幅広い相談体制を整えることも

重要です。

 

 

ほかに、災害時には、

被災状況に乗じて近づいてくる

建物修繕関係の悪徳商法や、

募金・義援金詐欺などの

人災にも注意が必要です。

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